第113章 四大名門に嫁ぐ見込みあり

野口真優は、本当なら自分が交代させられた理由なんて、わざわざ説明する必要はなかった。

それでも一言添えたのは、ファンに『実力で負けて、席を奪われた』と分からせるため。

そうなればファンは当然、真優の代わりに入った相手を「相当腕の立つピアニストに違いない」と思い込む。

真優を慕う者ほど悔しさが募り、まだ公表もされていない伴奏者と自分の推しを比べ始める。結果、意識は否応なく相手へ向く。

そして、本番で――。

もし相手の出来が真優より劣っていたら。

その瞬間、真優のファンは容赦なく叩く。徹底的に、惨めになるまで。

野口真優はコメント欄を指先で流しながら、鼻で笑った。

「プレッシャー...

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